当院の特色

【坪井病院リハビリテーションセンターの紹介】

 坪井病院リハビリテーションセンターでは、@呼吸療法認定士を理学療法士4名・作業療法士2名が習得し、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や間質性肺炎などの呼吸器疾患を対象とした呼吸リハビリテーション、A適切ながんのリハビリテーション研修を終了した理学療法士4名・作業療法士4名が在籍し、がんの種類や進行度合い、治療による副作用や障害等に配慮しながらの周術期から内科治療、緩和医療へのリハビリテーション、B上肢または下肢リンパ浮腫に対してのリハビリテーションなど様々な方に対応しています。全てのなかで、日常生活動作(ADL:歩く、起きる、入浴など)はもちろんのこと、生活の質(QOL:quality of life 生活をしやすくする、個人を尊重した生活)を向上するように努め、一貫した包括的リハビリテーションを提供します。
 
 また間質性肺炎・肺線維症センターなど専門チームに所属し、各種カンファレンスや回診などへの多職種の参加を通して、医師や看護師、MSW(社会福祉士)らと密接な連携を行ないチーム医療にも重点を置きます。


リハビリテーション施設基準


坪井病院リハビリテーションセンターのスタッフ編成

リハビリテーション医師3名
理学療法士5名 (非常勤1名)
作業療法士4名
歯科衛生士2名
臨床工学技師1名(非常勤)


資格取得

*呼吸療法認定士取得者
理学療法士 4名
作業療法士 2名
*初級呼吸ケア指導士
理学療法士 2名
作業療法士 1名
*がんのリハビリテーション研修修了者
理学療法士 4名
作業療法士 4名
*臨床実習指導者研修修了者
理学療法士 1名
作業療法士 1名
*認知症サポーター
理学療法士 3名
作業療法士 4名


関連各所属センター

間質性肺炎・肺線維症センター
非がん緩和ケアセンター
新型コロナセンター


専門分野の紹介

呼吸リハビリテーション

 慢性呼吸器疾患の中で間質性肺炎やCOPDは呼吸リハビリテーションのよい適応になります。呼吸リハビリテーションの目的は肺疾患の進展の阻止、残された呼吸機能の効果的な活用、衰えた体力と気力の改善と向上、家庭生活、社会生活への復帰とその持続にあります。

間質性肺炎患者さんの呼吸リハビリテーション<介入基準、継続のポイント、入院・外来リハ、効果判定>

@介入基準
 呼吸器に障害が生じた患者さんに対し、可能な限り機能を回復・維持することにより、患者さん自身が自立した日常生活を送れるように継続的に支援する医療です。対象者は老若男女・内科・外科を問わず、呼吸不全の患者さんが対象です。呼吸不全の主症状は「息切れ」です。症状が無い軽症者でも呼吸リハの介入は必要です。自分自身の病気を良く理解し、病気と伴に仲良く暮らす方法を身につけることが目的です。

A継続のポイント
 肺に障害を持った方は、肺の働きが損なわれ酸素不足や呼吸困難が生じます。そのため寝ている時間が多くなり筋力低下などの廃用症候群につながります。その予防策として毎日の運動の継続が大事になります。つらい運動を無理やり取り入れると続かなくなり逆影響となります。スタッフと相談し焦らず無理のないプログラムを取り入れ継続しましょう。運動は毎日の自己管理の指標ともなります。スタッフと相談し自分が毎日、簡単に出来る回数、運動内容から始めていくことが大切です。

B入院・外来別のリハビリテーション
 医師の指示のもと患者さんの病態に合わせて、入院や外来でのリハビリテーションを実施します。病気の症状に沿ってリハビリを行います。


C効果判定
 初回精査入院し、退院した後は外来診療に月1回通院して頂きます。そして半年おきに初回入院時に行った、6分間歩行試験を外来にて行います。また、1年後は基本的に検査入院(3泊4日)して頂き、初回入院時に行った6分間歩行試験、筋力検査、QOL検査などを行い、初回の結果を元に比較・検討させて頂きます。

D急性増悪(急性期介入リハ)
 1週間の安静で筋力が10〜15%、3〜5週間で50%まで低下すると言われています。筋肉自体も細くなってしまい、2ヶ月以内には半分の細さになると言われています。また、治療に使われる薬剤によっては副作用にて筋力低下を生じるものがあります。また、安静は筋力だけではなく、心臓から送られる血液量を減少させてしまい、呼吸が浅くなることで呼吸回数が増え、結果として呼吸するだけで疲れてしまうことがあります。そのため、可能限りベッドの上で運動をしたり、起き上がってベッドに座ったりと動く事が大切になってきます。
 人工呼吸器を使用している場合では、ベッド上にて手足のストレッチや筋力トレーニング、起き上がりや立ち上がり練習、場合によってはベッドサイドで自転車エルゴメーターを漕いでもらい、筋力低下を最小限にするように実施します。人工呼吸器をしていない場合では、ベッドの上でのストレッチや筋力トレーニングはもちろんのこと立った状態での筋力トレーニングや歩行練習、自転車エルゴメーターを行い、筋力向上と体力向上を目指します。
 注意点としては、血中酸素飽和度(SpO2)が90%を下回らないように注意して行います。また、息切れや息苦しさ、疲れなど自覚症状に注意し、運動量を調整しながら行います。


がん患者リハビリテーション

@周術期のリハビリテーション
 がんと診断された患者さんのなかで手術が必要とされた方を対象として行なっています。周術期のリハビリテーションの内容として、術前や術後の呼吸指導、排痰指導、下肢静脈血栓予防、起居動作練習、歩行練習やエルゴメータなどの全身調整運動を行ないます。また、可能な限り早期離床を行うことで合併症(肺炎、下肢静脈血栓症)の予防・軽減が行えます。このように、患者さんの早期退院ができるよう早期離床、合併症予防に努めていきます。主に消化器系疾患(胃がん・食道がん・大腸がんなど)、呼吸器疾患(肺がん・気胸・縦隔腫瘍など)、乳がん、婦人科疾患(卵巣がん、子宮がんなど)の患者さんが対象となります。

A抗がん剤・放射線治療のリハビリテーション
 抗がん剤治療(化学療法)や放射線治療が行われている期間のリハビリテーションは「回復的リハビリテーション」、そしてこれらの治療が終了した後のリハビリテーションは「維持的リハビリテーション」となります。治療中・治療後の体力低下を予防し、体のだるさ、心理面(抑うつ、不安)を軽減します。

Bリンパ浮腫のリハビリテーション
 リンパ浮腫のリハビリテーションの種類としては、リンパドレナージ、圧迫療法、圧迫衣類(弾性ストッキング・弾性スリーブ)、運動療法があります。乳がんの術後や婦人科疾患の放射線後、抗がん剤治療後に浮腫(むくみ)が出現することがあるため、浮腫を軽減するためにリンパドレナージや弾性ストッキングの指導も行なっています。
 注意してほしい点として、日常生活の注意とスキンケアです。日常生活では出来る限り、重い物をもたないようにし、長時間の立位や正座は出来るだけ避けることが重要です。

C緩和的リハビリテーション
 積極的な治療を行わない患者さんやホスピス(緩和ケア病棟)の患者さんには「緩和的リハビリテーション」が行われます。がんの進行とともに体力が低下し、日常生活動作も少しずつ低下し、生活の質も低下してしまいます。このような事を少しでも軽減または改善するために、患者さんの希望や意向に添うように基本動作、歩行の安定性の確立、廃用症候群の予防・改善、安全な栄養摂取の手段の確立、在宅準備や疼痛緩和、浮腫の症状緩和、呼吸困難の緩和、心理維持などを目的としています。また、この時期のリハビリテーションはセラピストと患者さんとの信頼関係によるところが大きく、顔を合わせて会話をすることや手を触れるだけでも、患者さんの要望がある限り介入を継続しています。