来院される方へ

薬剤師外来がはじまりました

(伊與田 友和)

 現在、国民の2人に1人は「がん」になるといわれています。その「がん」と闘うための新しい抗がん剤や、抗がん剤の新しい組み合わせ方法などが次々と開発され、さらに条件によっては内服だけの治療で十分効果がある抗がん剤も数多く登場したことなどにより長期生存が可能になり、QOL(=生活の質)を大事にした治療が望まれるようになってきました。同時に嘔吐などの副作用を和らげるためのお薬も進歩し、結果として治療を受ける方々がそれぞれの生活を中心に外来で治療を受けることが可能になっています。
 ところで、がん治療に使われる抗がん剤にはどのようなものがあるのでしょう。

 これら抗がん剤の副作用といえば、脱毛、悪心・嘔吐、口内炎、骨髄抑制(血液の成分が減る副作用)による感染症や貧血、末梢神経障害(しびれなど)、皮膚障害などがその主流でした。しかし新しい分子標的薬や免疫治療剤は予期せぬ新たな副作用が現れることもあり、特に外来で受ける治療は、入院治療のように医師、看護師など病院スタッフが常に近くにいるわけではないので、患者さん本人が抗がん剤の正しい知識を持ち、副作用の種類や現われる時期、対策法を理解して治療を進めていく必要があります。そこで抗がん剤に対する理解を深め外来治療を少しでも安全に、そして効果的に、また少しでも安心して治療をしていただけるよう、当院では消化器外科でがん治療をされている方を対象に福島県で初めての「薬剤師外来」を開設しました。開設した2月は15名の方が薬剤師外来を利用され、抗がん剤の説明、治療スケジュールの確認や副作用対策などを行いました。
 当院における薬剤師外来の流れは、はじめて抗がん剤治療をされる方と、継続治療中の方では内容が少し違います。


はじめて抗がん剤治療をされる方

図1.はじめて抗がん剤治療をされる
患者さんの診療の流れ

はじめて治療を開始される方は、主治医の診察後、依頼を受けたがん治療の専門的知識をもった薬剤師が治療のスケジュール、お薬の使い方、現われやすい副作用とその対策の説明、あわせて高血圧や糖尿病などほかに治療中のお薬があればその内容を確認させていただき、これから始まる治療薬との飲み合わせまで確認します。(図1)


継続治療の方

図2.継続治療患者さんの診療の流れ

継続治療の方は、検査を済ませた後、診察までの待ち時間を5〜10分お借りしてがん治療の専門的知識をもった薬剤師が予約制で面談をします(図2)。面談ではお薬が飲めているかどうか、必要な常用薬が不足していないかを確認し、主治医へ処方提案をすると同時に、副作用の確認をしてその対策についてセルフケアや主治医への副作用対策のためのお薬の提案をし、その効果の確認まで行います。場合によっては生活上の不安や、主治医に話しにくいこともお話ししていただき、患者さんの思いをうまく治療につなげられるように工夫をしていきます。また痛みのある患者さんには、痛みのコントロールにも対応します。


現在薬剤師外来は、消化器外科外来・呼吸器内科外来でがん治療をされている患者さんが対象になっていますが、一人でも多くの患者さんに安全かつ円滑に治療ができる新しい形のチーム医療を提供するため、順次対象診療科を拡大していきます。
なお、薬剤師外来を利用するには主治医からの依頼・予約が必要になります。ご利用の際は主治医までご相談ください。